舌が腫れて痛い

2月号の記事を拝見した直後に、
「舌が腫れて痛い」という患者さんが来院。

記事の内容から、「進化の経緯、経絡的にみても、舌も糸巻き治療でいけるはず」と考え、治療を行ったところ、大変効果的だったので報告致します。

【患者】
70代女性

【主訴】
舌が腫れて痛い

【既往歴】
・不安神経症(少女時代から現在まで)
・子宮筋腫
・10年ほど前から胃腸が弱く、すぐ下痢になる。
・昔から右の鼻がよくつまる(服薬なし)。

【家族歴】
ノイローゼ(母)

【現病歴】
1か月前から週に1度のペースで来院。

最初は胃腸の悩み(軟便・下痢)で来院されたが、腹部にある30年前の下腹部の手術痕(子宮筋腫摘出)に古傷治療をすると、胃腸症状は改善。

以降は不安神経症などを治療をしているが、今回は開口一番「舌の真ん中が腫れて痛い」と訴えられ、口を開けてもらうと、確かに1円玉大の厚みのある炎症がある。
本人曰く、「入れ歯が当たるせいかな?」とのこと。

【所見】
①脈
細・緊・胃の気弱

②腹部
腹部瘀血・臍周囲・みぞおちに圧痛
胸骨周辺の圧痛
恥骨(横骨)周囲の圧痛(右>左)

③背候診
C7・T1・T7に圧痛
神堂付近に圧痛
後頭部全体に固い(左>右)

④火穴診
肝の火穴に反応

⑤その他
人迎付近に圧痛(右>左)

【処置】
胃の気処置、瘀血処置、副腎処置(築賓)。
肝の気水穴、地機、血海。

次に、横骨の圧痛が弱まる、人迎付近の圧痛点を探して刺鍼。
舌の痛みが「少し和らぐかも」ということで、今度は直接、人迎付近の圧痛点が緩む、下腹部の横骨周辺と合谷に刺鍼。
→「指で触れても舌の痛みがない」

主訴が改善したため、アレルギーと精神状態の治療のために以下の処置を追加。

ネーブル4点
肩髃に灸
上星、瘂門、魄戸、膏肓、足趾間穴
C7・T1・T7に横V字
委中、飛揚、崑崙

神庭と瘈脈への鍼
→胸骨周りと神堂付近の圧痛消失と同時に、「気持ちいい…」とコメント。
※これらのツボは岐子先生が仰るように、神経症状が強い方ほど、気持ちいいと言われる。

治療後は鼻閉も改善。

【考察】
舌の腫れはまだありましたが、痛みは完全に消失。
1週間後に来院の際は、舌の痛みのことはすっかり忘れておられました。
上の横骨もそうですが、下腹部の横骨がより効いたように思います。
不安神経症は相変わらずの様子ですが、神庭・瘈脈・DLPFCの治療は気持ち良いそうなので、症状の改善を期待して続けてみます。

岐子先生の記事を拝見していなかったら、舌の痛みは改善しなかったはずです。
いつもありがとうございます。